セックスの頻度は週何回が普通?カップルの幸福度と回数に悩まないコツ

ふたりの時間、週1回で十分?

「ほかのカップルは、週に何回くらいしているんだろう」。回数が減ってきたときや、相手との「したい」の量がずれているとき、ふと気になってしまうテーマです。

海外の大規模な研究では、パートナーのいる人の幸福度は週1回くらいまでは頻度とともに高くなり、そこから先はほとんど変わらないという結果が出ています。さらに、意識して回数を増やした夫婦の実験では、満足感はむしろ少し下がっていました。数字に振り回されないための考え方を、研究と日本の調査からまとめます。

この記事でわかること

  • 日本のカップルの「セックスレス」はどれくらいあるのか
  • 頻度と幸福度の関係を調べた3万人超の研究の結果
  • 回数をノルマにしないための、ふたりでできる工夫

日本の夫婦の約半数がセックスレスに当てはまる

日本家族計画協会が2020年2月に行った全国調査(20〜69歳の男女5,029人)では、結婚している20〜49歳の男女のうち、日本性科学会の定義でセックスレスにあたる人が51.9%でした。2004年に同協会が行った調査では31.9%で、約15年で20ポイント増えています。

つまり、回数が少ないことに悩んでいるカップルは、決して特別ではありません。そのうえで「では、どれくらいならいいのか」を考えるヒントになるのが、次の研究です。

頻度と幸福度の研究でわかったこと

3万人超の分析:週1回を超えると差がなくなる

トロント大学の研究チーム(Muise et al., 2016)は、アメリカの3つの調査、合わせて3万人以上のデータを分析しました。恋人や配偶者がいる人では、頻度が高いほど生活への満足度も高い傾向が見られましたが、その関係は週1回あたりで頭打ちになり、それより多い人との間にははっきりした差がありませんでした。パートナーのいない人では、頻度と幸福度に関係は見られませんでした。

報道では、月1回未満の人と週1回の人の幸福度の差は、年収の大きな差(1.5万ドル未満と10万ドル超)に匹敵するほどだったとも紹介されています。ただし調査は「その時点の状態」を比べたもので、仲が良いから回数が多いという逆の可能性もあり、研究者も因果関係までは示せないと述べています。

夫婦64組の実験:「回数を2倍に」で楽しさが下がった

カーネギーメロン大学の実験(Loewenstein et al., 2015)では、35〜65歳の夫婦64組(128人)を2つのグループに分け、片方にだけ約3か月間「いつもの2倍の回数」をお願いしました。その結果、回数は増えたものの幸福度は上がらず、わずかに低下。性的な欲求や楽しさも下がっていました。

研究者は「自分たちで誘ったのではなく、指示されてしたこと」が影響したと考えています。回数そのものより、したくてしているかどうかが大切だということがうかがえます。

幸福度は週1回で頭打ち、回数を2倍にした夫婦は楽しさが低下などの研究結果と、回数より大切にしたい4つのことをまとめた図解

「応じなきゃ」が積み重なっていませんか

2020年の日本の調査では、気乗りしないセックスに応じることがあると答えた人が、女性で68.4%、男性で45.0%にのぼりました。また、どちらから求めることが多いかという質問に「自分から」と答えた女性はわずか4.6%でした。

「平均くらいはしないと」と回数を目標にすると、気持ちが追いつかないまま応じる夜が増えてしまうこともあります。気が進まない日の伝え方は「夜の誘いの上手な断り方」で詳しく紹介しています。

回数に悩まないための、ふたりの工夫

ここからは研究結果をふまえた、モアコスメ編集部からの提案です。

  • 「平均」ではなく「ふたりの心地よさ」で話す:何回が普通かより、「今の感じでいい?」「もう少しくっつきたい」と気持ちを共有するほうが、すれ違いを防げます
  • 誘うサインを決めておく:日本の調査でも、ふたりで決めた合図で誘うという回答がありました。言葉にしにくい人ほど、誘う側も断る側もラクになります
  • 触れ合いだけの日もカウントする:ハグやマッサージで終わる夜も、ふたりの大切な時間です。触れることから関係を温め直す方法は「センセート・フォーカスとは?」にまとめています
  • いつもと違う空気をつくる:実験の研究者は、誘いたくなる状況(子どもを預ける、ホテルに泊まるなど)づくりのほうが合っていたかもしれないと話しています。場所や時間、アイテムなど、小さな新しさを足してみましょう

なお、性欲は月経周期などで波があるのも普通のことです。自分のリズムを知るには「生理周期と性欲の関係」も参考になります。

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よくある質問

Q. 週1回より少ないと、関係がうまくいっていないということですか?

A. そうとは限りません。研究で示されたのは平均的な傾向で、ふたりが今の頻度に満足していれば、それがふたりにとっての「ちょうどいい」です。週1回は目標ではなく、「それ以上がんばらなくてもいい」目安として受け取るのがおすすめです。

Q. 相手のほうが回数を求めてきて、つらいときは?

A. 「したい量」がずれるのは多くのカップルにあることで、どちらかが悪いわけではありません。断る理由を責めずに伝え、代わりにできる触れ合いを提案するなど、ふたりで落としどころを探してみてください。

Q. 回数が減った原因が体にある気がします。

A. 性交時の痛み、勃ちにくさ、長く続く気分の落ち込みなどが背景にあることもあります。婦人科や泌尿器科、カップルカウンセリングに相談するのはごく自然なことです。痛みについては「セックスが痛いのはなぜ?」でも解説しています。

まとめ

  • 日本では結婚している20〜49歳の51.9%がセックスレスにあたる(2020年調査)
  • 3万人超の研究では、パートナーのいる人の幸福度は週1回あたりで頭打ちだった
  • 回数を2倍にした夫婦の実験では、楽しさや欲求がかえって下がった
  • 回数より、「したくてしているか」「ふたりが心地よいか」を大切に

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参考資料
Muise A, Schimmack U, Impett EA. Sexual Frequency Predicts Greater Well-Being, But More is Not Always Better. Social Psychological and Personality Science. 2016;7(4):295-302.
Loewenstein G, Krishnamurti T, Kopsic J, McDonald D. Does increased sexual frequency enhance happiness? Journal of Economic Behavior & Organization. 2015;116:206-218.
日本家族計画協会 家族計画研究センター「第4回【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2020」(2020年2月調査)