膣から音が出る「ちつなら」の原因|研究で多かったのは若い人・性生活がある人

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「ヨガで脚を上げたとき」「ふたりの時間に体勢を変えたとき」、膣から空気が抜けるような音がして、顔が熱くなった。そんな経験を誰にも話せずにいる女性は少なくありません。

この音は「ちつなら(膣なら)」と呼ばれ、海外の研究では女性のおよそ2〜3割以上が経験していると報告されています。しかも多いのは、年齢が高い人よりも若い人や性生活がある人。「ゆるんでいるせい」と決めつける必要はなさそうです。

この記事でわかること

  • ちつならが起きるしくみと、おならとの違い
  • イラン・オーストラリア・台湾の調査でわかった頻度と起きやすい場面
  • 気まずさを減らす工夫と、婦人科などに相談したい目安

ちつなら(膣なら)とは?おならとの違い

ちつならは、何かの拍子に膣の中へ入りこんだ空気が、外へ押し出されるときに出る音です。医学の論文では「vaginal flatus(膣からのガス)」や「vaginal wind」と呼ばれています。

腸から出るおならとは通り道がまったく別で、ふつうはにおいがありません。体の外から入った空気が出ていくだけなので、それ自体が汚いものでも、病気のしるしでもないことがほとんどです。

何人に1人が経験している?3つの調査データ

イランの病院を訪れた942人(2012年)

18〜80歳の女性942人を調べたVeisiらの研究では、188人(20%)がちつならを経験していました。起きる場面は性行為中が54%、日常の動作中が38%、運動中が8%。経験者の平均年齢は34歳で、経験していない人(37歳)より若い結果でした。性経験のない女性にも、わずかながら見られています。

オーストラリアの専門外来の570人(2020年)

骨盤底の専門外来で診察と超音波検査を受けた女性570人を分析したNeelsらの研究では、33%が経験ありと答えました。頻度は「月1回」が最も多く(38%)、毎日以上という人も合わせて23%いました。きっかけを答えた102人の内訳は、性行為71%、姿勢を変えたとき22%、運動9%です。

台湾の泌尿婦人科外来の341人(2021年)

Lauらの研究では、骨盤底の悩みで受診した341人のうち35%が経験あり。経験者の98%に性生活があり(経験のない人では55%)、若い世代に多い傾向も確認されました。性行為の場面で「よく・いつも」起きる人は46%いて、性生活の満足度を測る質問票のスコアも、経験のない人より低くなっていました。

なお、オーストラリアと台湾の研究は専門外来の受診者が対象のため、一般の女性全体より数字が高めに出ている可能性があります。

ちつならの研究データ(経験者約20〜35%、きっかけは性行為71%など)と気まずくならない工夫をまとめた図解

「ゆるんでいるから鳴る」は本当?研究でわかった関係

ちつならというと「締まりがない」というイメージを持たれがちですが、データはそう単純ではありません。オーストラリアの研究では、超音波で骨盤底を調べたところ、骨盤底の筋肉がふだんから強めに張っている人のほうが経験しやすいという結果が出ました。研究チームは「筋肉の張りが抵抗になり、閉じこめられた空気が押し出されるときに音が出るのでは」と推測しています。ただし、これはまだ仮説の段階です。

同じ研究では、経腟分娩の経験、骨盤臓器脱(子宮や腸などが下がってくる状態)、便やガスのもれとの関連も報告されています。若さ、性生活、出産、筋肉の張り方、そのときの姿勢。いくつもの要素が重なって起きる現象と考えておくのがよさそうです。

音が気になるときにできる4つの工夫

研究で効果が確かめられた方法ではありませんが、気持ちを軽くするために、モアコスメ編集部がおすすめしたい考え方です。

  • パートナーには先に伝えておく:「空気が入って音が出ることがあるけど、体のしくみなんだ」と話しておくと、鳴ったときに慌てずにすみます
  • 体勢を大きく変えるときは、ゆっくり:調査でも、姿勢を変えた瞬間がきっかけとして挙がっていました
  • 鳴りやすい体勢は避けてもいい:気になって集中できない体勢を、無理に続ける必要はありません
  • 笑い合えたらそれで十分:ふたりで笑える空気は、むしろ安心できる関係のあらわれです

ヨガやストレッチで鳴りやすい人は、脚を高く上げるポーズや逆さになるポーズのあと、ゆっくり元の姿勢に戻すと気になりにくいことがあります。

婦人科や女性泌尿器科に相談したい目安

ほとんどは心配のいらないものですが、次のような場合は一度診てもらうと安心です。

  • 日常の動作でも頻繁に起き、外出や運動をためらうほど困っている
  • 尿もれ・便もれがある、膣から何かがふくらんで出てくる感じがある
  • 出てくる空気ににおいがある、便のようなものが混じる(早めに受診を)
  • 出産後から急に増えた

相談先は婦人科のほか、女性泌尿器科(ウロギネコロジー外来)もあります。骨盤底筋のトレーニングがちつならにどう影響するかは、現在も研究が続けられている段階です。性交時の痛みもある場合は「セックスが痛いのはなぜ?性交痛の原因と知っておきたい対処法」もあわせて読んでみてください。

デリケートゾーンと骨盤底を意識するアイテム

ちつならを止めるための商品ではありませんが、自分の体に目を向けるきっかけとして、モアコスメで扱っているアイテムを紹介します。

Puzzle Labo フェミニンローション

Puzzle Labo(パズル ラボ) フェミニンローション:デリケートゾーンのうるおいとにおいをやさしくケアするローション。毎日のセルフケアに取り入れやすいアイテムです。
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よくある質問

Q. ちつならは自分の意思で止められますか?
A. 空気が入ったり出たりするタイミングを完全にコントロールするのは難しいものです。体勢をゆっくり変える、鳴りやすい姿勢を避けるといった工夫で、気になる場面を減らす人もいます。

Q. ちつトレをすれば鳴らなくなりますか?
A. 研究では、骨盤底の筋肉が強めに張っている人のほうが経験しやすいという結果もあり、「鍛えれば鳴らない」とは言い切れません。トレーニングとの関係は研究中です。頻繁で困っている場合は、婦人科や女性泌尿器科で骨盤底の状態をみてもらいましょう。

Q. パートナーに引かれないか心配です。
A. 調査では性生活のある女性に多く見られる、ごくありふれた現象です。体のしくみとして先に話しておくと、お互いに気にしすぎずにすみます。

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まとめ

ちつならは、海外の調査で女性の2〜3割以上が経験している身近な現象です。若い人や性生活がある人に多く、「ゆるいから鳴る」とは限りません。先にパートナーへ伝える、体勢をゆっくり変えるといった小さな工夫で、気持ちはずいぶん楽になります。日常生活で困るほど頻繁だったり、尿もれや下がる感じ、においをともなったりする場合は、遠慮なく婦人科や女性泌尿器科に相談してください。

参考資料
Veisi F, et al. Vaginal Flatus and the Associated Risk Factors in Iranian Women. ISRN Obstet Gynecol. 2012:802648.
Neels H, et al. Is vaginal flatus related to pelvic floor functional anatomy? Int Urogynecol J. 2020;31(12):2551-2555.
Lau HH, et al. The Prevalence of Vaginal Flatus in Women With Pelvic Floor Disorders and Its Impact on Sexual Function. J Sex Med. 2021;18(3):487-492.