セックス中、本当はそこまで気持ちよくないのに、相手を傷つけたくなくて反応を大きくしてしまう。早く終わらせたくて、感じているふりをしてしまう。そんな経験がある人は、決して少なくありません。
演じることが習慣になると、相手は「これが好きなんだ」と思い込み、自分はますます本音を言いにくくなります。最初は相手への気づかいだったはずなのに、いつの間にか自分の気持ちよさが置き去りになってしまうのです。
演じてしまうのは、やさしさの裏返しかもしれない

気持ちよさを演じてしまう背景には、「相手をがっかりさせたくない」「場の空気を壊したくない」「面倒な話し合いにしたくない」という気持ちがあります。相手のことを大切に思っているからこそ、本当のことを言えない場合もあります。
でも、演じ続けることは、自分にとっても相手にとっても苦しくなりやすいものです。相手はあなたが本当に心地よいことを知る機会を失い、あなたは我慢する時間が増えてしまいます。
大切なのは、過去に演じてしまった自分を責めることではありません。そのときはそうするしかないと思ったのかもしれません。これから少しずつ、自分の感覚を言葉にしていけばいいのです。
いきなり否定せず「こっちが好き」で伝える

セックス中に伝えるのが怖い理由のひとつは、相手を否定しているように聞こえないか不安だからです。そんなときは、「それは違う」よりも「こっちのほうが好き」という伝え方に変えてみましょう。
たとえば、「もう少しゆっくりが好き」「そこより少し上が気持ちいい」「強いよりやさしいほうが落ち着く」「このまま続けてほしい」など、希望の形で伝えると、相手も受け取りやすくなります。
反応を演じる代わりに、小さな言葉で方向を示すイメージです。すべてを説明しようとしなくても大丈夫です。ひとつだけ希望を伝えられたら、それだけでも大きな一歩です。
セックス中に言えないなら、あとからでもいい

その場で言葉にするのが難しい人は、セックスのあとや、まったく関係ないリラックスした時間に話してもかまいません。むしろ、行為の最中より落ち着いて話せる場合もあります。
「この前、もう少しゆっくりだと安心できるかもと思った」「気持ちいいふりをしたいわけじゃないから、少しずつ好みを伝えたい」「一緒に探していけたらうれしい」など、責める言い方ではなく、これからの提案として伝えると話しやすくなります。
パートナーがあなたのことを大切に思っているなら、あなたが本当に心地よく過ごせることを知りたいはずです。言いづらさを乗り越えるには時間がかかるかもしれませんが、本音を少しずつ共有することは、ふたりの関係を深めるきっかけにもなります。
自分の好きがわからないときは、ひとりで探してみる

「何が好きかわからないから伝えられない」という人もいます。その場合は、セルフプレジャーで自分の感覚を知ることが役立つことがあります。
どのくらいの強さが心地よいのか、どんなペースだと安心するのか、直接的な刺激が好きなのか、じわじわした刺激が好きなのか。ひとりの時間なら、相手の反応を気にせず、自分の体に集中しやすくなります。
好きなことがはっきり言葉にならなくても、「強すぎるのは苦手」「急がれると緊張する」「ゆっくりだと安心する」など、苦手を知ることも大切です。伝える内容は、完璧なリクエストでなくてもかまいません。
もし相手が希望を伝えたときに不機嫌になったり、からかったりするなら、それはあなたの伝え方だけの問題ではありません。心地よさを共有するには、受け止める側の姿勢も必要です。自分の感覚を話すことに罪悪感を持ちすぎず、安心して伝えられる関係かどうかも大切に見ていきましょう。
一度で全部を変えようとしなくても大丈夫です。次の機会にひとつだけ反応を控えめにしてみる、ひとつだけ希望を言ってみる、終わったあとに短く伝えてみる。小さな変化を重ねるほうが、無理なく本音に近づけます。
本音を伝える練習は、セックスの場面だけに限りません。普段の会話で「今日はこっちがいい」「それは少し苦手」と言う経験が増えると、親密な時間でも自分の希望を出しやすくなります。
少しずつで大丈夫です。
まとめ

セックス中に気持ちよさを演じてしまうのは、相手への気づかいや不安から起こることがあります。でも、演じ続けるほど本当の心地よさから遠ざかってしまうこともあります。
まずは、「こっちのほうが好き」「もう少しゆっくりがいい」など、小さな希望から伝えてみましょう。その場で言えなければ、あとからでも大丈夫です。自分の気持ちよさを大切にすることは、相手を否定することではありません。ふたりで心地よさを探すための、前向きなコミュニケーションです。
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