「私、エッチのときに全然声が出ない」「彼に感じてないと思われていそうで不安」。喘ぎ声についての悩みは、友だちにもなかなか聞けないぶん、ひとりで抱え込みやすいテーマです。
結論からお伝えすると、声の大きさは気持ちよさの量と同じではありません。研究でも、声が出るタイミングとオーガズムのタイミングはずれていたことが報告されています。静かなことも、声が出ることも、どちらも自然なことです。
この記事でわかること
- 喘ぎ声とオーガズムの関係について、研究でわかっていること
- 声を「出さなきゃ」と感じてしまう理由
- 声以外で気持ちよさを伝える方法と、彼への伝え方
喘ぎ声は「感じた量」を表すものではない
2011年にイギリスで発表された研究では、性生活のある女性71人(平均年齢およそ21歳)に、セックス中の反応を細かく答えてもらいました(Brewer & Hendrie, 2011)。
- オーガズムを感じやすかったのは、クリトリスへの刺激や前戯の場面。挿入中はもっとも少なかった
- 一方で、声がもっとも出ていたのは男性が射精する直前と、その瞬間
感じたタイミングと声のタイミングが別々だったことから、研究者は、声には自分でコントロールしている部分が少なくともある、と考えています。参加者が若い世代の少人数なので一般化はできませんが、「声が小さい=感じていない」とは言えないことがわかります。

「声を出さなきゃ」と思ってしまうのはなぜ?
動画やドラマで見る「声が出るセックス」のイメージが強いと、静かな自分のほうが変なのでは、と感じやすくなります。また、相手に喜んでほしい気持ちから、声を出すことがあります。
2010年にアメリカの大学生を対象にした匿名アンケートでは、挿入をともなう性経験がある女性の67%、男性の28%が、オーガズムのふりをしたことがあると答えています(Muehlenhard & Shippee, 2010)。理由として多かったのは、相手の気持ちを傷つけたくない、早く終わってほしい、といったものでした。
相手を思いやる気持ちは素敵なことです。ただ、毎回「出さなきゃ」とがんばっていると、自分がどこで気持ちよく感じているのかが見えにくくなります。感じてるふりについては、オーガズムを感じにくい原因の記事でも詳しく扱っています。
言葉よりしぐさで伝えている人が多い
18〜69歳の78人に話を聞いたインタビュー研究(Lutmer & Walker, 2024)では、気持ちいいことは言葉より、体の動きなど言葉を使わない方法で伝えたい、という人が多数派でした。反対に、痛い・いやだと感じたことは言葉で伝える人もいたそうです。
さらに、48本の研究を統合した分析では、カップルのあいだで性について話せているほど、性欲や興奮、オーガズムなどの面で良い結果と結びついていました。性欲とオーガズムについては、その関係が男性より女性で強めに出ています(Mallory et al., 2019)。大切なのは声の量ではなく、ふたりの間で伝わっているかどうか、と言えそうです。
声が出なくても大丈夫。気持ちを伝える4つのコツ
以下は研究の結論ではなく、モアコスメ編集部からの提案です。合いそうなものをひとつ試すだけでも十分です。
手をにぎる・引き寄せるなど、触れて合図する
「そこがいい」の代わりに、相手の手や腕をきゅっとにぎる。声を出すより恥ずかしさが少なく、相手にも伝わりやすい方法です。
声のことは忘れて、息を長く吐く
声をこらえようとすると、息まで止めてしまいがちです。ゆっくり吐くことだけ意識すると、肩やお腹の力みが抜けやすいと感じる人もいます。
ふだんの会話のなかで「静かなタイプ」と伝えておく
ベッドの上ではなく、ご飯のあとなどリラックスした時間に。「声は小さいけど、ちゃんと楽しんでるよ」と一言あるだけで、彼の不安も、あなたの気負いも軽くなります。
ひとりの時間に、好きな触れ方を知っておく
自分がどんな刺激を心地よく感じるのかを知っていると、短い言葉やしぐさでも伝えやすくなります。どんなアイテムから始めればいいか迷う方は、タイプ別の選び方ガイドを参考にしてください。
ふたりの時間に取り入れやすいアイテム
言葉がなくても共有しやすい:Womafire Vibe Ring(バイブリング)

カップルで使うことを想定したリング型のアイテムです。「どうしてほしい」を言葉にするのが苦手なふたりでも、同じものを一緒に試すことで、反応を確かめ合うきっかけになります。
緊張しやすい人に:L’UNA JELLY(ルナジェリー)

日本製・水溶性で無味無臭の潤滑ゼリーです。こすれる感じが気になって体に力が入ってしまう人は、少量を手元に置いておくと、落ち着いてふたりの時間を過ごしやすくなります。
よくある質問
Q. 声が出ないのは、不感症だから?
A. 声の大きさだけで、感じやすさは判断できません。研究でも、声とオーガズムのタイミングは一致していませんでした。もともと静かなタイプの人もいます。
Q. 彼に「もっと声を出して」と言われたら?
A. 彼は「ちゃんと気持ちいいのか」を知りたいだけのことが多いものです。声の代わりに、手をにぎる、「それ好き」と短く伝えるなど、自分が無理なくできる合図を提案してみてください。
Q. 相談したほうがいいのはどんなとき?
A. 痛みがあって声をこらえている、怖さや緊張で体がこわばってしまうときは、声ではなく体や心のサインかもしれません。痛みは婦人科へ、不安が強いときは性の悩みを扱うカウンセラーへ。相談するのは、特別なことではありません。
まとめ
喘ぎ声は、気持ちよさをそのまま映すものではありません。研究でも、声とオーガズムのタイミングはずれていて、多くの人は言葉以外のしぐさで気持ちを伝えていました。静かでも、声が出ても、どちらも普通です。無理に声を足すより、手の合図やふだんの一言で「伝わる」状態をつくるほうが、ふたりとも安心して楽しめます。
あわせて読みたい
- オーガズムを感じにくいのはなぜ?女性がイけない原因と向き合い方
- オーガズムってどんな感覚?女性の「イったか分からない」を解説
- 夜の誘いの上手な断り方|相手を傷つけない伝え方と例文、研究でわかったこと
- 性のお悩み相談室 フェムサポ
参考資料
- Brewer G, Hendrie CA. “Evidence to suggest that copulatory vocalizations in women are not a reflexive consequence of orgasm.” Archives of Sexual Behavior, 40(3), 559–564, 2011.
- Muehlenhard CL, Shippee SK. “Men’s and women’s reports of pretending orgasm.” The Journal of Sex Research, 47(6), 552–567, 2010.
- Lutmer A, Walker AM. “Patterns of Verbal and Nonverbal Communication During Sex.” Archives of Sexual Behavior, 53(4), 1449–1462, 2024.
- Mallory AB, Stanton AM, Handy AB. “Couples’ Sexual Communication and Dimensions of Sexual Function: A Meta-Analysis.” The Journal of Sex Research, 56(7), 882–898, 2019.









